30坪家屋の解体費用については、建物の構造と坪単価で大まかな相場が分かります。
こちらでは、解体工事費用について、相場の目安と見積りがどのような項目で決まるのかを簡単に解説します。
解体工事の見積り要素項目を知ることで、工事料金を節約するために役立ちますので、費用を安くしたい方は参考にしてください。
30坪家屋解体相場の目安
30坪家屋の解体費用相場は、構造によって異なります。木造で90〜150万円、鉄骨造で120〜180万円、鉄筋コンクリート造(RC造)で180〜240万円程度が目安となります。ただし、付帯工事費や立地条件によっても費用は変動します。
建物の解体工事費用は、坪単価で見積り出来るので「建屋解体工事費」についてはある程度一定ですが、その他費用については建物や土地の状況で変わってきます。
また、相場は地域差があり、東京が平均より2割ほど高く、一方で九州と北海道は平均より2割ほど低いという傾向があります。
本州では、都市部と郊外・東京寄りかどうかで多少違いはあれど、おおむね一定の相場でした。
構造別の解体費用相場
木造:坪単価3〜5万円、30坪で90〜150万円 鉄骨造:坪単価6〜7万円、30坪で180〜210万円 RC造:坪単価7〜8万円、30坪で210〜240万円 建物の構造によって解体の難易度が異なるため、木造が最も安価で、RC造が最も高額となる傾向があります。
付帯工事費や立地条件による費用の変動
建屋解体工事費とは、建物の主な部分について解体工事する費用です。
ブロック塀や門、駐車場、庭木などの付帯工事が必要な場合は、解体費用が割高になります。また、住宅密集地や狭小地など、重機の使用が制限される立地条件でも、人力作業の割合が増えるため、費用が高くなる傾向にあります。
家屋解体の費用内訳
家屋解体費用は、大きく分けて仮設工事費、解体工事費、廃棄物処分費、整地費用、諸経費の5つに分類されます。それぞれの費用割合は、物件の状況によって異なりますが、廃棄物処分費が最も高い傾向にあります。
仮設工事費
足場や養生、仮設トイレや現場事務所の設置など、解体工事の準備に必要な費用。全体の1〜2割程度を占めます。
解体工事費
重機や人力による建物の取り壊し費用。木造や鉄骨造は比較的安価ですが、RC造は解体に手間がかかるため高額になります。全体の3〜4割程度を占めます。
廃棄物処分費
解体によって発生する木くず、コンクリートガラ、金属くずなどの廃棄物を適切に分別し、処分するための費用。全体の4〜5割を占め、最も高い割合となります。
整地費用
解体後の敷地を平らに整地するための費用。重機での整地が必要な場合は、1平米あたり1,000円程度が相場です。全体の1割程度を占めます。
諸経費
車両の駐車場代、各種手続きに必要な費用、アスベスト調査費用などが含まれます。全体の1割程度を占めます。
30坪家屋の解体に必要な付帯工事
30坪家屋の解体では、建物本体の解体以外にも、付帯工事が必要となる場合があります。外構の解体・撤去、残置物の処分、アスベスト対策などが代表的な付帯工事です。
外構解体・撤去
門や塀、カーポート、物置などの外構は、別途解体・撤去が必要となります。例えば、コンクリートブロック塀は1m当たり3,000円程度、物置は2〜3万円程度が解体費用の相場です。
残置物の処分
家屋内に残された家具や家電、廃材などの残置物は、別途処分が必要となります。1m³あたり15,000円程度が相場ですが、アスベストや化学物質を含む場合は、さらに高額になることがあります。
アスベスト対策
昭和50年代以前に建てられた家屋では、アスベストが使用されている可能性があります。アスベストが含まれる場合は、専門業者による適切な措置と処分が必要で、通常よりも高額な費用がかかります。
解体工事料金が高くなる要因
解体工事料金が高くなる要因は、自分で解決できるものとそうでないものがあります。
解体工事費用を安くしたい場合は、自分出解決出来る項目を業者に丸投げしないことで、多くはないですが確実に費用削減が可能な部分があります。
一方で、相場以上に工事料金を払うのはもったいないので、必ず相見積もりを行って適切な料金かを確認することが大切です。
工事金額が安すぎるのも問題ですが、相模を大きく超えた高い金額を払ったとしても、リフォームなどと異なり解体工事の最高点は「トラブル・問題が無く工期内で終了すること」なので、無駄に多く払って得をすることはありません。
建物周辺の道路が狭い場合
建物周辺の道路が狭い場合は、重機やトラックの利用に制限が掛かるので、解体工事費用が高くなる要因です。
最も厳しい状況なのが、2mほどの幅が取れない場合に、2トントラックすら使うことが出来ない状況で、その場合は手作業による解体を行う必要があります。
当然、解体工事費用が高くなる要因ですが、道路幅について施主がどうすることも出来ない要素なので、周辺道路が狭かったり重機利用に制限が掛かる場合の解体費用は少し覚悟しておく必要があるでしょう。
不用品の処分がある場合
不用品の処分がある場合は、解体業者に丸投げせずに自分で処分しておくと費用を節約出来ます。
途中で説明したように、残置物(不用品)は解体工事で発生する産業廃棄物として処分することが出来ないため、別途費用が掛かることが大きな理由です。
一方で、残置物に処分価値がある場合には、これを適切に売却などすることで、工事費用を節約することに加えて、雑益を得ることが可能です。
廃材の分別がしづらい場合
建物内などの老朽化によって、廃材の分別がしづらい場合には、解体工事費用が高くなります。
廃材の分別は施主側でなんとか出来ない場合が多いですが、解体工事まで建物を汚い状態や朽ち果てた状態で放置しないことが大切です。
空き家などはどうしても利用価値がないので放置したくなりますが、利用しないことが決まっている場合は、解体しておくほうが費用を節約出来ます。
あわせて、特定空き家に指定されるなど、後に解体が半強制される場合もありますので、安く解体出来るタイミングで行うことが重要です。
地中埋設物がある場合
敷地内の地中に地中埋設物がある場合は、解体工事費用が高くなります。
とはいえ、地中埋設物を自分で処分するわけにも行きませんので、こちらも解体工事費用が高くなることについて覚悟しておく項目になります。
なお、工事や見積り前に地中埋設物があることを業者に伝えておくことで、追加費用や土地処分後のトラブルを避けることに役立ちます。
地中埋設物の除去は、工事料金が高くなってしまいますが必ず告知するようにしましょう。
二階建て以上の場合は状況によって変わる
建物構造が二階建て以上の場合には、構造的な面で解体工事費用が高くなります。
ただし、延床面積として平屋と二階建てで同じ場合には、屋根の大きさは二階建てのほうが小さくなるので、一概に解体工事料金の高低が判断出来ないケースがあります。
業者間の紹介料など
業者間の紹介料は、いわゆる「子請け・孫請け」など業者同士の縦関係で発生する費用で、一般には「中間マージン」などと呼ばれているものです。
業者間の紹介料などは、絶対に節約してほしい費用の一つです。
ハウスメーカーの場合には、見積りの20%~30%と割高な紹介料になるケースがあります。
一方で、営業や広告の部門を持たない業者にとっては、人件費や広告費などを節約出来る点であり、紹介料は必ず無駄で悪しきものというわけではありません。
とはいえ、インターネットが発達した現在では、分離発注(建て替えと解体を別に発注すること)で業者費用を節約出来るので、解体工事費用を安くしたい場合には絶対に節約したい費用といえます。
同時に相見積もりをして業者比較をすることで、無駄のない適切な費用で解体工事発注が出来る業者を探すことに役立ちます。
家屋解体費用を安く抑えるコツ
30坪家屋の解体費用は、構造によっては200万円以上かかることもあるため、できるだけ費用を抑えたいところです。いくつかの工夫により、解体費用を安く抑えることが可能です。
複数の解体業者から見積もりを取る
1社のみの見積もりでは、適正価格か判断できません。3社以上の解体業者から見積もりを取り、費用の内訳や工事内容を比較検討することで、最適な業者を選ぶことができます。
自治体の補助金制度を利用する
老朽化した空き家の解体には、自治体の補助金制度が利用できる場合があります。例えば、東京都中野区の「木造住宅建替え等助成」では、最大150〜400万円の補助が受けられます。
不用品は自分で処分する
家屋内の不用品を自分で処分することで、廃棄物処分費を抑えることができます。家電や家具は、リサイクルショップやオークションサイトで売却するのも一案です。
建物滅失登記は自分で行う
解体後は、1ヶ月以内に法務局で建物滅失登記を行う必要があります。司法書士に依頼すると5万円程度かかりますが、自分で行えば1,000円程度の費用で済みます。
30坪家屋の解体で注意したいポイント
30坪家屋の解体を進める際は、いくつかの注意点があります。建物滅失登記の期限、固定資産税の変動、再建築の可否など、解体前に確認しておくべきポイントがあります。
1ヶ月以内の建物滅失登記
解体後1ヶ月以内に建物滅失登記を行わないと、10万円以下の過料が科される可能性があります。必ず期限内に手続きを行いましょう。
更地にすると固定資産税が上がる可能性
住宅用地の特例により、家屋が建っている土地は固定資産税が軽減されています。更地にすると、特例が適用されなくなり、固定資産税が最大6倍に跳ね上がる可能性があります。
再建築不可の土地もある
都市計画法や建築基準法によっては、一度解体してしまうと、再建築ができない土地もあります。解体前に、自治体の都市計画課などに相談しておくことをおすすめします。
まとめ
30坪家屋の解体費用相場は、木造で90〜150万円、鉄骨造で120〜180万円、RC造で180〜240万円程度が目安となります。ただし、付帯工事や立地条件によって費用は変動します。
複数の解体業者から見積もりを取ったり、自治体の補助金制度を利用したりすることで、費用を抑えることができます。一方で、建物滅失登記の期限や固定資産税の変動など、解体前に確認しておくべきポイントもあります。
以上のように、確かに解体工事料金は高いですが、いくつか出来ることもありますので「割高すぎる料金」を払ってしまうことだけは注意してください。
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